それぞれの空
プロローグ
真っ青な空にきれいな飛行機雲が浮かび上がる。
ふいに立ち止って見上げる。
絵に書いたような景色に思わず声が漏れた。
教会の鐘が鳴り響いた。
不意に名前を呼ばれた。
振り返るとあたしの大好きな笑顔がそこにあった。
あたしは身動きに取りにくいウエディングドレスとちょっと高いハイヒールに苦戦しながら彼のもとに駆け寄った。
そこに、迷いはない。