それぞれの空
あたしは、二通目のメールを見た。
差出人の名前には――
“川村先生”――。
変な汗が流れる。
何事もなかったかのようにあたしはメールをみた。
隣の江実さんと絵梨の会話が遠くに感じる。
何故だか、メールを読むたびにあたしの周りの雑音が全部消える。
――今日の授業でさ……
多分、メールの内容なんて川村先生にとってはどうでもいいはず。
毎日メールなんてするような人じゃなかったから。
あたしは最後まで読まないで携帯を閉じた。