ある夏の日の出来事

「貴方はまだ生きてるわ。」

私の声がふとつぶやいた。

「もう一度やり直したいなら
目の前のドアを開きなさい。

全部が正解じゃないから、
はずれたらもう戻れないから。」

そう言うと私の声は
聞こえなくなってしまった。

正解は一つ。
でもなんとなく答えは分かっていた。

だってあのドアの向こうから
大好きな彼の声がするもん。

私は走って行ってそのドアを開けた。
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