私だけのアイドルくん。
ずっとじろじろ見てくるファンクラブの人たちが、私のことガン見しながらひそひそ話してる。
やだなー。
こういう話って、聞きたくない時ほど耳に入ってくるんだもん。
「…ねえ、最近結城さんと知也君仲良くない?」
「私もそう思ってた。」
「きっとあのブスインキャが知也君のこと、しつこく追い回してるのよ。」
ブスインキャかー。
やっぱりそう思われてるんだ。
どうでもいいけど。
「あーー!絶対そうだわ。知也くんがあいつのことなんか相手にするわけないじゃんね。」
そこでファンクラブの人たちのひそひそ話しは終わった。
「…理子ちゃん?」
「へ?」
白石くんか。
あっちに集中してたから気づかなかった。
「どうしたの?なんかすごい顔だったけど。」
「あ…いや。なんでもない。気にしないで。」
「ふーん?なにもないんだったらいいけど。そろそろ終わりかな?バディ決め。」
「そうだね。」
白石くんとの会話も終わって、ちょっと冷静になって考えてみた。
私、国民的アイドルのバディになるのか。
いや、国民的アイドルはどうでもいいんだけど
白石くんのバディとか、私に務まるのかな?
だいたい、白石くんと臨海の間はほぼ一緒にいなきゃいけないんでしょ?
…ドキドキする。
またこの感じ。
二回目だ。
胸がキューって締め付けられて
苦しくなる。