刻み続ける時計
担任は唯愛の席を指差した。
「じゃあ穴瀬さんはあの席ね。
本当、二条出身だから賢いわね」
担任は笑って言う。
唯愛を期待している。
この担任は1-Aの恐怖を知らない。
休み時間になると、
やはり唯愛の周りには1-A生徒が群がる。
はじめにやってきたのは
クラスの女王、
「古城真白(コジョウマシロ)」だ。
1-Aは真白によって動いていた。
真っ黒な髪の毛で、お嬢様感あふれる女の子。
顔もかわいいし、
まるで何かの物語にでてきそうな子だ。
真白は笑って唯愛に話しかける。
「唯愛、よろしくね。
私、古城真白。
クラス委員も務めてるから。
疑問があるんだけど。」
いきなり真白の顔が真剣な顔へと変わった。
唯愛は下を向いている。