短編集~甘い恋~
あたしは相川くんが歩いていった方を向く。
そこには、ニヤッと笑う相川くんが見えた。

これって…ピンチなんじゃない?

あたしはポカンとしているナンパ男たちをほっといて、
相川くんのもとへ走った。

再び歩き出した彼の手をすかさず掴む。

「…なに?」

ニコリ、笑う彼。
「ちょっと来て!」

あたしは相川くんの腕を引き、ひと気のない場所へ連れて行った。

「……見た?」
「あぁ、真鍋が、ヤバいくらい強いってこと?」
「っ!!」
「男投げ飛ばすって、すげぇ」
「う゛…」

相川くん、優しいよね…?きっと。

言えば……分ってくれるよね?


言わないで、くれるよね??



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