短編集~甘い恋~

お誕生日会

「優奈」

ある日の放課後、歩が話しかけてきた。
「なに?」
「ちょっと付き合え」
「は?」
「及川、コイツのこと借りてく」
「へ、あ、どうぞ…」
「行くぞ、優奈」
「ちょっ…!」

歩はあたしの腕を掴み、歩き出した。

マコはポカンとして、こちらを見ていた――…。

「ねぇ、どこ行くの!?」
「いいから、着いて来い」

これって、着いて来いって言うよりも、引っ張られてるって感じだよね?

…投げてやるか?
なんて思ったけど、やめた。

人、いっぱいいるし。
これ以上、コイツに昔の部分を知られるのもね…。

あたしは歩に腕を引かれるがまま、着いて行った。

着いた場所は、デパート。

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