短編集~甘い恋~
あたしはゆっくりと歩の手に自分の手を近づける。

「おせぇ」

そう言うと、歩はあたしの手を取り、恋人繋ぎをしてきた。

「ちょっ」
「ほら、さっさと行くぞ。何階に行くんだ?」
「えっと、3階に可愛い雑貨屋があるってマコが…」
「んじゃぁとっとと行くぞ」

腕を引かれた。
だけど、歩くスピードは、全然早くない。

あたしに、合わせてくれてる…?


ホント、

歩は意地悪なのか、優しいのか。



分らない。



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