短編集~甘い恋~
壁に背をあずけながらあたしを待っていた藤宮。
「…アイツ、なんだって?」

あたしは先生に言われたものを言うと、嫌そうな顔をした。

「めんどくせ」
「ホントだよ」
「めずらしく意見が合ったな」
「だね」
「はー。行くか」
「うん」

2人、重い足取りで向かった。


まさか、この後…。


あたしがあんなことを思うなんて…。


この時のあたしは、思うはずない。


…これっぽっちもね。


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