短編集~甘い恋~


あたしの背後には、藤宮がいて。


頭が、藤宮の胸板にあって。


藤宮の左手は、
あたしの左肩に置かれていて…。
ぐッと掴まれている肩が、少し痛い。


藤宮から伸びている右手は、
棚の一番上の段ボールを押さえていた。


たった、あの一瞬で……

藤宮は、あたしを守った。


少し、息を乱して。


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