短編集~甘い恋~
「け、慶…??」
「ど、どうしたの…??」
「慶らしくないよ…??」

「俺らしいってなに?」
「えっと…。王子様で、みんなに優しくて…」
「ふぅん。里緒」
「は、はい」
「里緒にとっての俺ってどんなの?」

「あ、悪魔…?
だけど、ちゃんと優しさはあって…。
仕事もちゃんとこなして…。
慶先輩は、王子様でも悪魔でもなくて。
慶先輩は、慶先輩…です」

「フッ、さすが俺の認めた女だ」
「え…?」

「お前らさ、里緒のこと傷付けたら…殺すよ?」
『ッ!!』
「消えろ」

女の集団は、瞬く間に消えていった…。

体育館裏には、
あたしと慶先輩だけになった――……。

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