短編集~甘い恋~
俺は、ただただ驚いていたんだ。
こいつらの言う通り、女はスカートを履いている。
だけど、そんなこと気にも留めず。
周りの目なんかも気にせず。
たった一匹の野良猫のために、木を登るソイツに。
ただただ、驚いた。

そして猫は…無事、女が助けた。
「も~~!無理しないでよ里緒ッ」
「ごめんごめん。でもこの子が無事でよかったよ」

笑顔で、そう言った。
その笑顔をみて、ビビっときたんだ。


それから俺は……

目で、あいつを追っていた。


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