短編集~甘い恋~
その後、あたしは藤宮に送られた。

「ありがと…、送ってくれて」

「フハッ。さっきも思ったけど、お前の“ありがとう”って貴重だよな」
「なっ!それ、超失礼っ!!」

せっかく素直になってお礼言ったのに…!

「ハハっ。じゃぁな、天海」
あたしの髪をクシャクシャとしながら、無邪気に笑う。

「っ!じ、じゃーな!アホヤンキー!!」
そう言い捨て、あたしは勢いよく家の中に入った。
「はぁぁ!!??」
と、玄関まで聞こえる。

うるさいよ、近所迷惑じゃんか。


だけど……


あたしの心臓の音のほうが、
迷惑な気がする…。


だって、どくどくなりすぎ……。



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