短編集~甘い恋~
そろそろ警備のおじさんとか来ないのかな?
てか、宇佐見たちが探しにこればいいんだけど…。

ドンドン
「誰か、助けて……」

ヤバい、なんかダルイ…。

もしかして、熱出てきてるんじゃ…。

ダメダメ!そうやって気にしてたら、もっとだるく感じちゃう!

「お前、いい加減諦めたら?どうせそろそろ警備員とか来るだろ」
「あんたと閉じ込められたって噂になりたくないの!!
てか、あんたも助け呼ぶの手伝いなさいよ!!
携帯とか、持ってないわけ?」
「あいにく、充電切れ」

…使えない。

「ゲホッ……なんでここには小さい窓しかないのよ……」

せめて、大きめの窓があったらそこから出れるのに…。

ドンドン、ドンドン
「誰…か…助け…て…」
辛くなり、ゆっくりとしゃがみこむ。

いきなり静かになったのがおかしいと思ったのか、藤宮が起きあがった音がした。

「っ、天海…!?」

しゃがみこんだあたしを見て、藤宮がこちらに寄ってくる。

「おい、大丈夫かよ!?」

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