短編集~甘い恋~
ドンドンドンドン!!
「おい!誰かいねぇのかっ!!」

藤宮の大きな声も、むなしく倉庫に響くだけ――……。

「ゲホッ…ゴホッ…っ…」

ヤバい、だんだんひどくなってきてる…。

「っ、クソッ」

そんな声が聞こえたと思ったら…

ドンッ!ドンッ!!
「ちょ…あんた、なにしてんのっ!!」

藤宮が、ドアに体当たりをし始めた。

「ここのドア、だいぶボロイからちょっと体当たりすれば壊れっかもだろ」

そう言うと、藤宮は再び体当たりをする。

「ちょ、やめなよ…っ。あんた、ケガするじゃん…っ」
「っせーな!こっから出るためだ」

え……?

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