短編集~甘い恋~
「あ、今から移動教室だよね。邪魔してゴメン。またね、菜々ちゃん」
「あ、はい。さよなら」

そうして、また美々と廊下を歩く。

「ホント、菜々って孝人先輩に気に入られてるよね。いつからだっけ?」
「たしか…学食で相席した次の日から…じゃなかったかな」
「あぁ。でもさ、あの超人気者の孝人先輩に抱きつかれるなんて、いい思い出だね」
「アハハ…」

そう、孝人先輩はいわゆるイケメンで、人気者。
そんな先輩が、なんでこんなデブを気に入るのか…。

やっぱ、抱き心地?
それだけって、なんか…嫌だな。

って、なに考えてるの~~!!

「好きなの?」
「だ、誰が孝人先輩なんかっ!」
「へ?誰も孝人先輩なんて…あぁ」

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