短編集~甘い恋~
そしていつのまにやら自己紹介が始まった。
え?どういう流れでこうなった?

『俺は伊月<イヅキ>』
『俺は孝人』
『美々です!』
『あ、菜々です』

美々は伊月先輩と話が弾んでいるようだ。
あたしはというと、カルボナーラの虜♪
だって、ホントにおいしいんだもん!!
てか、さっきから視線が…。
なんで孝人先輩、ニコニコしてんの?

『あの…なにか?』
『え?』
『さっきからこちらを見てるので…』

ま、どうせ女なのによくそんなに食べれるね、とか思ってるんだろうな。
今までもそういうこと言われてきたし、もう慣れた。

『菜々ちゃんって、おいしそうに食べるなって』
『もぐもぐ……。え?』


今まで言われなかった。


だからかな。

その優しい笑顔に、言葉に。


あたしは……


先輩に惹かれた。


そう、カルボナーラのように(笑)

―――――――……


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