短編集~甘い恋~
「…俺も、菜々ちゃんが好きだよ」
そっと離され、目が合った時、そう言われた。
「ホント「だけど」
ホントですか?そう言おうとしたら、遮られる。

「俺が好きになったのは、幸せそうに笑う、菜々ちゃんだ。
相席した日、大盛りを食べている女子なんて初めて見て、ビックリした。
だけど、周りの目なんて気にしないで、すっごいおいしそうに、
すっごい幸せそうに食べている菜々ちゃんを見て、可愛いって思った」

そんなこと…思っていたの…?

「いつだって笑顔でいる、菜々ちゃんが好きだよ。
なんとなくだけどね、ダイエットしてるんじゃないかとは、思ってた。
前にチョコあげたとき、無理して笑ってたでしょ」
「っ!」
「バレバレ。てか、菜々ちゃんのことなら俺、結構鋭いよ?」

ニコッと笑う、孝人先輩。

「俺はさ、ありのままの菜々ちゃんが好きなんだよ。
食いしん坊で、優しくて、お人よしで…そんでもって、笑顔がすげぇキラキラして。
周りなんて、気にしないでよ。釣り合わないなんて、勝手に決めないで。
俺はさ、どんな菜々ちゃんでも、好きなんだから」

そんな言葉、嬉しすぎますよ、先輩…。



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