短編集~甘い恋~
マコとは気があい、その日から行動をともにするようになった。
もう、親友と呼べる存在だった。

「優奈って、N中だっけ?」
お昼休み、突然そんなことを言ってきた。
「うん。そだよ~」
「違ったら、ごめんね。優奈って、柔道やってた?」
ピタリ、動きを止める。

言うべき?でも…引かれない?

「マコにだから言うけど…うん。やってた」
「やっぱり。ウチの中学で、有名だったから。N中の真鍋優奈は強いって」
「そっか…。あたしさ、中学時代、オシャレとか恋とかよりも、柔道に青春をかけたの。
だから、高校に入ったら…恋とかオシャレとかしたいなって。
まぁ、高校デビューってやつ?……引いた?」

マコは、首を振った。

「引くわけないじゃん!だって、優奈は優奈でしょ?それに、恋したいとか、オシャレしたいとか…優奈ちょ~~~可愛い!」

ガバッと抱きついてきたマコ。

「マコ…、ありがとっ」
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