ALiCe


「とりあえずは簡単に自己紹介だけしておきますね…私の名はレイナルドと申します」

「はあ…有末華奈です」

「…有栖川陽」


陽はやはり疑っているのだろうか、ぶすっと無表情でそう告げる。

その瞳には警戒の色が浮かんでいる。


まあ確かに、いきなり「まあまずは屋敷にどうぞ、説明をして差し上げられるかもしれません」とか言われて招かれたら怪しいかもしれない。

なんとなく胡散臭かったのは私にもわかったけれど。

この状況を打破するためにもついていく他なかったのだ。
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