ALiCe
それを見てレイナルドはくすくすと笑った。
陽の思うことに気づいてそうだけれど、けして不快に思った様子は見えない。
「ふ、警戒するのは当然です。けれど私は本当にあなた達に危害を加える気はありませんよ」
「何か理由でも?」
「そうですね…理由、ですか。私はこの世界の謎を解きたいから…といいますか」
「この世界の…謎?」
なぜそれが私達を匿うことになるのか。
私にはさっぱり意味がわからなかったけど、陽には少し理解できたようだった。
「へえ…。じゃあとりあえずしばらくは世話になるとするか。下手に外をフラフラもできないからな」
こうして私と陽はこの屋敷に滞在することになった。