ALiCe
やはり考えることを放棄して俺はウサギ耳について歩き出した。
「あぁ、きましたね」
ウサギ耳に案内された先はさっきの庭だった。
同じ長テーブルに座ってレイナルドは優雅に茶を飲んでいる。
…いや、おかしいだろ。
「夕食だって言うのに茶しかないじゃねーか。茶会でもするつもりか」
「茶会もしますけれど、ご安心を。今は夕食ですよ」
「はあ…?」
意味がわからない。
「とにかく席にどうぞ」
促されるまま席につく。
と。
そこでまたおかしなことが起こった。
誰が何をしたわけではないのに、俺の目の前に豪華な食事が色々と出てきたのだ。
そりゃ、驚く。
少しの間何も口に出来なかった。