ALiCe
「ね?ね?カナちゃん、そーしよーよ♪」
「いやいやいや遠慮します」
メリッサの主張なのかなんなのかを無視して再びチェスターは華奈に近づくが今度は華奈がばっさりだ。
「敬語なんて使わなくていいのにーぃ」
「じゃあやめるけど、遠慮する!」
そう言って華奈はがたっと音を立てて椅子から立ち上がり高速で屋敷のなかに戻っていった。
「あらら、逃げられちゃった」
「彼女をからかうのもほどほどにして下さい」
…やっぱり本気じゃなかったのか…
こうしてこの世界にきた最初の夜はわいわいと騒がしく過ぎて行った。