ALiCe
「あれま、邪魔しないでよ女王様」
男はけろっとした明るい口調のまま、さっきと何も変わってない。
「この子は私のお友達で、この城の客人なのよ」
「でも、アリスなんだろ?」
「……ここは私の城よ、私の言葉に従いなさい」
そう言うローザは確かに女王様らしい威厳みたいなものがあった、ように見える。
「………」
男はしばらく沈黙したけど、やがて口を開くと、
「随分と言うようになったな、女王様?」
その言葉は怒ってたりするものではなく、完全に面白がっているようなものだった。
本当にこの人は一体誰なの。
とりあえず危なそう(まあこっちの奴等は大体危なそうだけど)なやつということだけは理解した。