wait




拓也に泣いてることがわからないように、

泣き出す前に言い切り走り出した。





でも現役バスケ部のエース拓也の脚に敵うわけもなく、あっさり捕まってしまった。


それも後ろから抱きしめられる形で。


「なんで逃げんだよ。」


「…だっ…て、余計なことっ…てことは…わたしに聞かせたく…ないってことでしょ…。」



「だから、それはっ…どうせ断るから知らせなくていいってこと!…………………俺が好きなのは…………咲だけだから。」



うそ…。
だって今までそんなそぶりを見せたことないくせに。家族みたいに思ってるだけだと思ってたし。


ずっと片思いだと思ってた。





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