逢い死て
なんなのよ……。
はぁ、とひとつため息をついた私は、夕都が脱ぎ捨てた衣類を拾い集め、同じくリビングに向かおうとした。
とき。
拾い集めた衣類がぶるぶると震えたかと思ったら、音楽が流れ始めた。
どうやら夕都の携帯が鳴っているらしい。
私は焦って衣類をまさぐった。目的のモノが手に触れて、小走りでリビングに向かう。
「夕都っ、携帯鳴ってる」
リビングのソファに顔だけ預けて眠ろうとしていた夕都が薄く目を開く。
「んぁ………?」
「はい、携帯」
ヘロヘロな手のひらに無理矢理携帯を握らせ、離すと、ガシャンと無機質な音を立てて携帯がフローリングに落下する。
「ちょ、ゆう…………」
ダラリと力なく垂れ下がっている夕都の腕に、もう彼は起きていないことを悟る。
ピタッと音楽が鳴り止む。ディスプレイの上部がピカピカ点滅して、不在着信を示す。
そして、私は見てしまった。