逢い死て
どうしようか………聞いてみようか。
先程運ばれてきたタルトの、フルーティーかつ香ばしい口当たりの生地をちびちびと噛み砕きながら考えるのは、夕都の事。
現在の状態から分析して、浮気をしている可能性を、恋愛の方の経験が豊富な麻雪に尋ねたい。
けれど、なんだか、気恥ずかしいし、怖い。
こういう類いの相談なんてしたことがないし、事実を受け入れたくもない。
「話変わるけどさ――」
悶々と思い悩んでいると、興味が逸れたのだろう、麻雪が新しい話題に花を咲かせる。
私は気持ちをパッと切り替えるのが下手くそなのか、麻雪の話をそこそこに聞きつつ適当に相槌を打ちながらも、思考を支配しているのは、全く別の事のことだった。