逢い死て


バイトの終わりは午後6時だと聞かされている。待ち合わせをするときには、余裕を持って6時半に、駅の切符販売機の前で、と二人で決めた。

私は待ち合わせ場所に急いだ。駅は本当にすぐ近くで、急がなくとも普通のペースで行けば5分ほどで着いてしまう。

待ち合わせ場所に着いてすぐ、夕都の姿を探すけれど。その姿は無く。待ち合わせ時間まであと10分。邪魔にならないところまで行き、壁に凭れて夕都の到着を待つ。


前に、デートをしたのはいつだっただろう。いつからか、一緒に外食するだけのお決まりコースになっていて、デートらしいデートはしていないかもしれない。今日もこんな時間だし、いつもと変わらない、ご飯を食べるだけのコースだろう。

けれどこうして着飾って逢うということに意味があって。今まで深く考えはしなかったけれど、私は不満なんて無く、満足で、そんな些細な幸せで良かったのだ。


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