逢い死て
6時40分。
約束の時間を過ぎても、夕都は現れない。いつもなら5分前には着いている、とまではいかないけれど、時間ぴったりはあっても遅れはしなかった。それに、遅れるときには必ず連絡が入るのだけれど、右手に握り締めた携帯電話は微動だにしない。
腕時計を見る。6時55分。
ピンヒールを履いた踵がじんじんと痛んでくる。脱ぐわけにもいかないし、周りに座れるところなんて見当たらない。
7時10分。
足が痛くて仕方ない。我慢しきれなくてその場にしゃがみこむ。ワンピースだけれど、そんなことに構っている余裕なんてない。
約束の時間から1時間経った7時半。
やっと、今まで頑なに黙りこくっていた携帯電話がぶるぶると震えだした。