逢い死て


………ホント、何してんだろ、私。


帰る、とメールした。そしたら『打ち上げあるから来て』と返信が来た。

私は夕都に忘れられてないことに嬉しくなって。行かなくちゃ、夕都に会わなくちゃ、地味な私のことなんてすぐ忘れられちゃうって怖くて。夕都を盗られたくなくて。

来てしまった、私には関係のない打ち上げ。
夕都は皆に私を、『彼女だ』と紹介した。そしたらワッと驚きの声が上がった。

「ユウト、彼女いたの?」

「彼女、意外だね。清楚だねー」

夕都は笑ってたけど、私は作り笑顔を浮かべるしかできなかった。話しかけられても、人見知りな私は萎縮してろくな返しもできず。

『ユウトの彼女』に興味を失ってからは、私はまるで空気のようだった。
夕都は私の隣にいたのに、歌い出してからは、私の隣は見知らぬ女の人。夕都は中心で笑ってる。

知らない曲ばかりで、ノることもできず、ただ座っていることしかできない。かと言って帰ることもできない。私が座っているのはドアから一番離れた位置で。
このまま、消えてしまいたいとも思う。



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