溺愛彼氏。
現れたのは『絶品の焼きそばパン』と。
何を食べようか、なんて考えながら購買へ向かうと、
そこには既に、長蛇の列が出来ていた。
ここの購買のメニューは、どれも美味な物ばかり。
特に、焼きそばパンが絶品だという。
まぁ、私は食べた事ないから分かんないけど.....。
そしてわずか数人を残したあの列も、目的は皆焼きそばパンだろう。
「出遅れたか.....。」
私がカウンターを覗いた頃にはもう、『完売御免!!』と書かれた札がメニューに貼られていた。
となると、残るはカップ麺か.....。
ふはぁ、と大きく溜息をつけば、ふらふらと商品の並んだ棚の前に。
種類豊富なカップヌードルとにらめっこをしてると、不意に後ろから声をかけられた。
「何してんの?」
くるりと振り返ると、そこには自分よりはるかに背の高い男子生徒が不思議そうに此方を見ながら立っていた。
彼は高城 護(たかしろ まもる)、私の一つ上の先輩。
家が近所で顔は見慣れたものの、その長身と大人っぽい風貌で
なかなか話しかけられずにいた。
近くで見るとさらに大人っぽく見える。
「うわぁ、由樹とは大違い....。」
「え?」
え...、ええええええっ!?
わわ、何言ってんだろ私っ、ついつい思った事が口に出ちゃった.....。
「いや、何でもないです。」
「そぉ?なら良いんだけど。」
すみません、全然何でもなくないですよね。
時々あるんです.....、本音がぽろり。
.......はぁ、直さなきゃな。
「それより....」
「はい?」
「これ、良かったら食べて」
そう言って先輩が差し出してきたのは、
たった今完売したばかりの『絶品の焼きそばパン』だった。
「え、良いんですか?」
「良いよ。その様子だと昼飯難みたいだし」
.....へへ、その通りです。はい。
「でも、これせっかく並んで買ったんですよね?」
決死の思いで手に入れた『絶品の焼きそばパン』。
もし私が先輩なら、絶対他人にあげるなんて事は無いだろう....。
私って、凄い嫌な女.....。
「良いから良いから、それは俺からのプレゼント。それに予備でもう一個あるし」
にこりと優しく微笑んでくれる先輩を見て、私もこれはもう貰うべきだなと思った。
「そうですか?....じゃあ、頂きます」
私はぺこりとお辞儀をすると、相手から『絶品の焼きそばパン』を受け取った。
「じゃ、俺行くから。」
「え、あ、はい。ほんとありがとうございました」
改めてお礼をすると、未だに状況を把握しきれてない私を見て、彼は小さく微笑みながら階段へと駆けて行った。
.....やば、護先輩かっこ
「恋ーっ!」
「ぎゃーっ!?」
「うっせーな、んな大声出すなよ馬鹿恋」
「馬鹿恋って...、てゆーかあんた何でこんなとこに居んの?」
「何でって、いくら待っても全然戻ってこねーんだもんよ。だから迎えに来てやった」
「ほえ?」
どうやら、私が教室を出てから結構な時間が経っていたらしく、
心配になったとわざわざここまで迎えに来たらしい。
茫然とどこか遠くを向いて立ち尽くしていた私に、すでに何度か声を掛けていたらしいのだが、
突然の出来事に頭が混乱していた私の耳には由樹の声は届いていなかった様で、
「ったく、すげー心配したんだけど」
とてもご立腹。
「ごめんってばー」
そこには既に、長蛇の列が出来ていた。
ここの購買のメニューは、どれも美味な物ばかり。
特に、焼きそばパンが絶品だという。
まぁ、私は食べた事ないから分かんないけど.....。
そしてわずか数人を残したあの列も、目的は皆焼きそばパンだろう。
「出遅れたか.....。」
私がカウンターを覗いた頃にはもう、『完売御免!!』と書かれた札がメニューに貼られていた。
となると、残るはカップ麺か.....。
ふはぁ、と大きく溜息をつけば、ふらふらと商品の並んだ棚の前に。
種類豊富なカップヌードルとにらめっこをしてると、不意に後ろから声をかけられた。
「何してんの?」
くるりと振り返ると、そこには自分よりはるかに背の高い男子生徒が不思議そうに此方を見ながら立っていた。
彼は高城 護(たかしろ まもる)、私の一つ上の先輩。
家が近所で顔は見慣れたものの、その長身と大人っぽい風貌で
なかなか話しかけられずにいた。
近くで見るとさらに大人っぽく見える。
「うわぁ、由樹とは大違い....。」
「え?」
え...、ええええええっ!?
わわ、何言ってんだろ私っ、ついつい思った事が口に出ちゃった.....。
「いや、何でもないです。」
「そぉ?なら良いんだけど。」
すみません、全然何でもなくないですよね。
時々あるんです.....、本音がぽろり。
.......はぁ、直さなきゃな。
「それより....」
「はい?」
「これ、良かったら食べて」
そう言って先輩が差し出してきたのは、
たった今完売したばかりの『絶品の焼きそばパン』だった。
「え、良いんですか?」
「良いよ。その様子だと昼飯難みたいだし」
.....へへ、その通りです。はい。
「でも、これせっかく並んで買ったんですよね?」
決死の思いで手に入れた『絶品の焼きそばパン』。
もし私が先輩なら、絶対他人にあげるなんて事は無いだろう....。
私って、凄い嫌な女.....。
「良いから良いから、それは俺からのプレゼント。それに予備でもう一個あるし」
にこりと優しく微笑んでくれる先輩を見て、私もこれはもう貰うべきだなと思った。
「そうですか?....じゃあ、頂きます」
私はぺこりとお辞儀をすると、相手から『絶品の焼きそばパン』を受け取った。
「じゃ、俺行くから。」
「え、あ、はい。ほんとありがとうございました」
改めてお礼をすると、未だに状況を把握しきれてない私を見て、彼は小さく微笑みながら階段へと駆けて行った。
.....やば、護先輩かっこ
「恋ーっ!」
「ぎゃーっ!?」
「うっせーな、んな大声出すなよ馬鹿恋」
「馬鹿恋って...、てゆーかあんた何でこんなとこに居んの?」
「何でって、いくら待っても全然戻ってこねーんだもんよ。だから迎えに来てやった」
「ほえ?」
どうやら、私が教室を出てから結構な時間が経っていたらしく、
心配になったとわざわざここまで迎えに来たらしい。
茫然とどこか遠くを向いて立ち尽くしていた私に、すでに何度か声を掛けていたらしいのだが、
突然の出来事に頭が混乱していた私の耳には由樹の声は届いていなかった様で、
「ったく、すげー心配したんだけど」
とてもご立腹。
「ごめんってばー」