夜空の涙~30日間の魔法~
プロローグ
「いらっしゃいませー」
「ありがとうございましたー」
とあるコンビニで、必死で笑顔を作り対応する。
「温めますか?」
「はい」
私は、瀬戸 夜波(よなみ) 17歳。
今年で高2の年齢になる。
だけど、高校は受けずに家を出て、
こんな風にいろんなバイトをしながらやりくりしている。
だからといって、夢とか、希望とかがあってこうしているわけでもない。
中学校時代は、親が厳しかったから必死に勉強して学年上位に入るほどだった。
まあそれが原因ってわけでもないんだけど、周りには、嫌がらせを受けてたし
人を信用するのもつらいところまで追い込まれたってわけ。
本当は、エリート高校なんかに入って過ごしてるんだろうけど
直前で投げ捨てて家を出てきた。
今まで親とか、先生の言うとおりに動いてきたから
今何がしたいとか、希望とかがよくわからない。
生きてる意味すら分からない。
そんな毎日。
だけど、こんな生活にうんざりしながらただひたすらに
生きている。