彼女はハラハラ時計
「そりゃ、みよたんが…いえ、美吉田警部補がこれまで指導してくれたお陰かもしれませんね」

今の言い間違いはスルーしてやるのが優しさなんだろうか?どう反応していいかわかんないな。仕事の話しでも進めるか。

「作動してないけど、爆弾のタイマーは残り30秒で設定か…」

「たぶん解体作業がある程度進むと作動し始める仕掛けかと思われます」

「これはサーモセンサーだな。急激な温度変化に対応してるのか…。爆弾を冷凍してから外に持ち出すのは無理だな」

「そうです。あとここを見て下さい。スチール管がありますよね。たぶん水平器になっていて、中の液体が水平を保っていないと起爆する仕掛けです。だから傾けただけでアウトです」

「凝ってるな…。もっと単純な仕掛けで同じ効果は得られるのに」

「それと…」

「ああ、わかるよ。このリード線の色と本数だろ」

「そうです」

普通、爆弾のリード線は、ダミー、もしくはブービートラップを含めても8色で30本以下。それはこれまでのキャリーボムボムの爆弾だってそうだった。
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