彼女はハラハラ時計
「そう言うことだ。キャリーの犯行声明テープを聞いとくか」

「お願いします」

警部は俺の目の前にカセットデッキを置き再生ボタンを押した。

『我輩はキャリーボムボム。最近流行りのキャリーなんとかとはまったく無関係だ。パクリじゃないぞ!そもそも我輩の方が先に名乗っていたワケだし、海外での知名度は彼女より我輩の方がある…』

「ここらへんは前回と同じ言い訳が10分間続くから早送りするな」

「はい」

まだ気にしてんだなアイツ…。

「ここぐらいかな」

山根警部は早送りを停めて、また再生のボタンを押した。

『美吉田警部補、琵琶湖でのお見合いはどうだったかね?我輩の爆弾をたかだか二回解体したぐらいで浮かれすぎてはいないか』

「どうしてキャリーボムボムにまでバレてるんですか!」

「ハハッ!警視庁の情報管理はユルユルだな」

『今回の爆弾は勘と運だけでは解体できないように工夫が施されている。が、もし美吉田警部補に愛があるなら解体できるかもしれんな。まあ、恋人を裏切り、お見合いをしてしまうような恋愛テロリストには難しいだろうが。それではアデュー!』
< 7 / 21 >

この作品をシェア

pagetop