彼女はハラハラ時計
「太志…。お前に愛とかあるか」

「知りませんよ!それより藍田巡査長はどこにいるんですか?」

「藍田は工場の中だ。爆弾の解体作業にあたっている」

「連絡は取れるんですか?」

「無理だな。今回も爆弾周辺には特殊なジャミングが邪魔して電波障害が生じている」

「つまり遠隔操作ロボットも活用出来ないってことですね。状況はわかりました。藍田と共に解体作業にあたります」

「そうだ…。藍田の胸の内にあるハラハラ時計も解体してこいよ」

「藍田のハラハラ時計?」

「おうよ。藍田にもバレてるから、お前のお見合い」

「……」

おそらく藍田もキャリーボムボムのテープを聞かされたのだろう。ヤツめ!なんてえげつない犯罪者なんだ!

うーん…。ちょい身勝手すぎる発言だったか?自業自得だしな。

「お前は冒険者だね。俺だったらこの状況から逃げだすけどな。そうそう、これ工場内の見取り図と扱ってる薬品の資料な。爆弾までのルートは赤ラインで示してる。それと、くれぐれも藍田の扱いには慎重にな」

「了解!」

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