forever love
チュン チュン。

今日も朝を迎えれた。

「爽樹様。お早うございます。」

「…。ハツか?お早う。」

「朝食をお食べになられたら医師の所まで行きますので
ご用意を。
あ。そして、詩菜(しいな)様がそろそろお戻りになられる頃だと
思いますよ。」

「そうか。ありがとう。」

「それでは…また後程。」

カシャ。

ハツが障子を閉め出て行った。

綺麗な空だ。雀も優雅に空を飛んでいる。

雀よ。お前たちはずっと空を飛んで楽しいか?私はずっとここに居る。

出ることを控えている。

雀よ。お前たちの生命はどのくらいだ?死ぬまで優々と
飛んでいるのか?

私の生命は…一時の時間しかない。

私もお前たちみたいに最期まで楽しんで生けるだろうか?

そんな事を考えながら朝食をとる。

朝食の後は毎回薬を飲む。

苦い薬。だが、これを飲まなければいつ逝くか分からないから
飲むしか方法がない。


「爽樹様。ご用意は出来ましたでしょうか?」

「ハツか。ありがとう。行こう。」

医師の所までは毎回馬車で行っている。

少しは歩きたいがハツが許してはくれない。

「ハツ。歩いて行ってはならぬか?」

「…なりません!いけませんよ!私は、詩菜様にくれぐれも…と
おっしゃい遣われました。絶対いけませんよ。」

ハツは頑固だ。

昔から詩菜の事を慕っていたからだ。詩菜より頑固かもしれない。

ガタッ。

「爽樹様。到着いたしました。」

「ありがとう。」
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