ため息と明日



じわりと、目頭が熱くなり、


それを隠そうと、俯き、首を横に振った。



「いや、頑張ってる。ほんと。」



真面目だし、それに、素直に周りの言うこと、きちんと受け止める。


そういうのは、分かるよ。





柔らかな声で、そんな風に言われると、


どういう反応をすればいいのか、ますます分からなくなった。



「…わたしは、覚えが悪いので、人と同じぐらいのペースになるのに、人一倍のことをしないと、並べないんです。」



だから、業務時間が過ぎても、つい長くなってしまい、明日の業務に回さないように、



どんどん長くなり、残業ばかり。



それが良くないって、意識が足りないのかもしれない。



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