ため息と明日


私より8歳も下だけれど、仕事においてはかなり頼りになる存在の茜ちゃん。


彼女は入社してきたときから、

「ゆとり世代だからって、バカにされるのが一番嫌いですっ!」


その宣言で、自分を鼓舞し、周りに対しても揺るがない精神力と持ち前の素直さで、


誰もが認めざるを得ない、仕事に対する取り組む姿勢や実績をしっかりと培ってきた。


見た目に反してといってはなんだが、基本真面目で良い子だ。


ちなみに彼女は、仕事以外、普段はとても、ゆるい。


ただ、伊澤さんのことになると、話は別。


それはある意味、仕事をするときと同じぐらいの意気込みを感じる。




「なんだかんだ、伊澤さんって先輩には特別感がある気がするんですよねぇ~」



じとっとした恨めしそうな目で訴える彼女に、どうしたもんかと思いつつ…




「何言ってんの。気のせいよ。あの人はみんなに対して平等だから。」




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