ため息と明日
茜ちゃんから、そんなことを言ってもらえるなんて、思ってもみなかった。
「私が言うのもなんですけど…先輩、そろそろ想われる恋、した方がいいですよ?」
想われる、か。
なんだかんだで、この子の一言って結構響く。
「そうねぇ、けど、それって私がどうにかできるもんでもないでしょ?想ってくれる相手がいなきゃ。」
半ば諦め気分で、吐き出すと、
だーかーら!っと勢い良く彼女は身を乗り出し
「気付いてない振りはダメなんですよっ!!可能性なんて、意外とすぐ近くに転がってるもんなんですからね」
いいですか、先輩!?と、最後に凄まれて、この話は終わったけれど、
そんな近くになんて、あるものなんだろうか…。