ため息と明日



それにしても、ホント寝すぎて、ちょっと朝ボケかってぐらいフワフワしてきた。


ダメだ、何しに地方まで来てんだ。仕事、仕事!


そして伊澤さんのサポートを全力で行って、ミッションコンプリートすることが私の役割。


やることもいっぱいあるし、気合い入れて頑張ろう!



と、意気込んでいると


「アヤキ〜なぁアレ⚪︎⚪︎城だよーやっぱ国宝だけあって凄いなー俺、初めて観た!」



少年のように目をキラキラさせた上司は、嬉しそうに道すがらの観光スポットを報告してくる。



こういうギャップも女子を虜にするんだって。この方は分かってやってるのか、たまに疑問に思うが。



現地に着くと、先程の少年はどこ吹く風で、洗練された大人モードにスイッチオン。



商談時の的確なヒアリング力、無駄のない見解、ここぞとばかりのポイントで絶妙な間をもっての提案力。すべてが群を抜く。



久しぶりに、同行営業を行ったが、この人は間違いなく、上に行く人だと改めて痛感した。




伊澤 圭。彼は、やっぱり私の上司の中で一番尊敬できる人物である。



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