ため息と明日
その後、無事、パートナーとの打ち合わせを終え、帰りの新幹線に乗った。
今回の資料まとめと、今後のプランについては提案資料を作成し、伊澤さんにチェックしてもらったところでようやく一息つく。
「うん、ok。これで行こう。今日は本当お疲れ様」
伊澤さんから、柔らかな声でそう言ってもらえてほっとする。ありがとうございます、と返したとき、何故かじっと見つめられた。
あの、と声を掛けようとすると、伊澤さんは
「今週の金曜の夜、空いてる?」と。
突然の問いに不意をつかれたものの、
特に予定はないと答えると、食事のお誘いを受けた。
二人で、というその言葉に少し緊張しながらも、伊澤さんにはお世話になっているので、ゆっくり話しをしてみたい気持ちになったのだ。
私でよければ。と伝えた時、伊澤さんはいつもの二倍増しの優しい笑顔で、ありがとう。と告げた。