ため息と明日


出張案件はそれから順調に進み、伊澤さんともいいチーム力を発揮し始めていた。


そして、あっという間に、金曜日を迎える。


社内で今日の食事は、絶対に内密だった。ただでさえ伊澤さんとの食事を今か今かと待ち望んでいるファンに対してバレてはならない。


後で陰口を言われたりするのも面倒だったし、偶々出張での軽い誘いが、重い出来事として捉えられたら、伊澤さんに対しても申し訳なかったからだ。


まぁ、上司と部下以外に何ものでもないので、勘繰られるようなこともないのだけれど。。


とにかく、伊澤さんに迷惑が掛かるようなことはしたくない。


予め、お店での待ち合わせでお願いしたいと、私から申し出もあったので、今日は現地集合。


互いに残業も多少考慮して、19:30の待ち合わせだった。


仕事は思ったほど長引かず、お店のビルに着く頃には、15分程早かった。



なのに…伊澤さんは既にその場所にいた。



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