ため息と明日


そこは、とてもナチュラルな空間で、店内も観葉植物や、お花で溢れたすごくステキな雰囲気だった。


この店の料理は、野菜や果物をふんだんに使ったオーガニックなメニューが沢山あって、身体に良いものに目が無い女性陣には打って付けのレストランだった。


彼はお店に入ってからもずっと、レディーファーストで、何から何まで至れり尽くせりだった。


好きなもの頼んでね、と優しい眼差しで微笑むのをやめて欲しい。。。



あまりにキラキラし過ぎて、私には眩し過ぎる!しかも、店内の他の女性客はやっぱりというか、彼の方をチラチラ気にしては、ぽわぁとした表情で目がうっとりしている。。



どこに行っても目を引く人なんだと、改めて思ったが、当の本人はこれっぽっちも気にならないようで、むしろ、私ばかり見つめている…。



彼と私を交互に見る女性陣は「なぜ?」という疑問がありありとこちらにも伝わってくる。
そりゃそうだと思うが、彼と付き合うというのはこういうことなんだとはっきりと自覚した。




でも、そんなことずっと気にしてたら、伊澤さんとは一生向き合えない気がする。



だから、私は周りの視線は考えないことにした。その代わり、彼に相応しい存在になれるよう努力をしようと決意したのだ。







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