ため息と明日


もう少し前に、そのことを聞いていたら、


今の私達とは、違った未来があったのかもしれない。





「...ごめん。もう、前には戻れない。大事な人がいる」




彼の目を見て、ハッキリと伝えること



それが、今の私がすべきこと



一瞬目を見開いたけど、それでも納得したようにヤツは小さく何度も頷いた。



そうだよな。と彼から零れた言葉の中に、切なさが宿っていた。


今更だと分かっていたと。


それでも自分に嘘はつきたくなかった、と。



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