指輪
「で、蘭の高校に行ったけど、会えなくて…結局卒業して、蘭はどこに行ったのかわからなくなったんだよね。」

「まだ信じきれないけど…本当のことなんだよね?」

私はあまりに予想外の話に驚いてしまってた。

凪斗は苦笑いしながら、
「本当だよ。信じてもらえないだろうから話すのやめてたんだ。」
って言った。

「けど…何で私が大阪いるってわかったの?」

私は凪斗に進路の話をしたことがなかったはずだ。


「一度大阪に旅行に行きたいって言ってたから。だから、その言葉にかけてみた。そしたら、本当に蘭が大阪にいたんだよ。花屋で見た時は、まじ運命感じたし。」

言った私も忘れてることを凪斗は覚えてた。


何も知らずに凪斗を恨んでいた自分が少し恥ずかしかった。
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