夢なごり~君の声に呼ばれて~


だって、行ったら、総司は…。



すると、総司の手が私の手に重なり、羽織から離された。



でも、手は握られたままだ。



総司は私に視線を合わせるように膝をついた。



「大丈夫、僕は絶対死なないから」



そう言うと、私の手を握っていた総司の手がスルリと離れて行く。



「総司…ッ!」



総司はこちらを振り向く事なく、池田屋の中に入って行った。



私が止めたのは死なないで欲しいという意味もあったけど、ある事が気掛かりだったからだ。






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