由良さんが呼んでますので
無愛想とクールも表裏一体
白金の髪が、宙を舞う
「・・・・由良さん」
「なあに、細木くん」
無表情で適当に俺の声に返事をする由良さんに、苦笑したくなった
何で彼女はこうも律儀で、強かなのだろう。俺も、由良さんみたいになりたかったなあ。こんなに女々しくなくて、情にほだされなくて、ポーカーフェイスを貫けるような人間に
そんな彼女のことを、まだまだ友達になって1週間もたたない俺は、分かっていない。表面上で分かることと言えば、彼女が凄い人だということだけ
可愛いし、頭いいし、運動神経は悪いらしい。でも、彼女はモテる
ちょこっとだけ羨ましいな、とも思う。同時に、俺の友達凄いだろって自慢したくなってしまう。それほど俺は、彼女のことを尊敬しているのだ
「細木くん、それとって」
彼女の、感情のこもっていない無機質な声を聞く
彼女は儚い。触ったら雪みたいに、砕けたガラスのように粉々になってしまうのではないかとオロオロしている。ああ、何て俺は女々しいんだ