由良さんが呼んでますので





由良さんから放たれる汚い単語にもだが、目の前で平然と、しかもすんなりと由良さんの隣に座ってなお且つ軽口を叩いているこの男は、一体彼女の何なんだろう




「いやー、にしても由良さんと細木くんかあ」

「なんですか何が言いたいんですかハッ倒しますよ」

「やっだ由良さん男前。惚れちゃう」

「口を慎みなさいホモ野郎」



由良さん辛辣ぅ~





俺よりも親しげなその口調に、苛々してくるのは仕方がないと思う、だって、だってだってだって


だって・・・・・




俺だけの由良さんなのに!!!!!




「イイカップリングだな。こりゃ」

「え゛。持田くん、ノーマルもイケたんですね」

「モチあたぼーよ。ぱっと見アレだ。押しに弱い由良さんが忠犬細木くんに迫られてどうにも出来ずにあんなことやこんなことされちゃうパターンだな。うん」

「腐ってんなその頭」



グリグリと男の頭をげんこつで捻っていく由良さん。ああ、コイツが羨ましいかもしれない。別段Mってワケじゃないけど、羨ましい




「いたたたたた、由良さん。止めて。俺違う方向に目覚めちゃうよ。このまま君の手の甲とか足を舐めて『女王様・・・・・』なんて言いそうになるから止めて」

「どうでもいいので、私の細木くんを汚さないで下さい」




キュンとキタ!!!!


どうしよう。由良さんのデレにキュンと来てしまった




いまはそんなタイミングじゃないのに由良さんごめんなさい!



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