由良さんが呼んでますので






え?本当に何なんだこの人は


視界がグルグル回って、搔き分けたくてうずうずする手が、私の意志に反して緑に近づいていく




ざり、ざり、ざり、ざり



砂を踏んでいく自分のローファーの音で、私はやっとこさ意識を保っているようだ




「うぅうう!何で、悟っ」



だから泣きやめよこの野郎!!!!


うざったく耳に付くその声に、思いっきり掻き分けながら、私は叫んでしまった





「うるっさいわこの野郎!!!!!何回泣けばいいのよ。アンタ叫びすぎなんですけど!!!!」

「あさ・・・・・・・へ?」




瞬間、その奥から見えた白金の髪とボロボロと涙を零しているその顔に、驚愕を覚えた。どうやらそれは、彼も同じだったらしく




「え、う?ゆ・・・・・由良(ゆら)さん?」

「へ、は?さ・・・・・細木(さいき)くん?」




あ、あああああああああああああ、




アリエナイ!!!!!!




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