由良さんが呼んでますので
言うこと聞かないからそんなことになるんだよ
どうしよう、今更だけど私、教室に戻れないことに気づいた
「ばか、ほんと、馬鹿・・・・・」
仲直りの仕方、わからないよ。どうしよう。細木くんに会いたくない。会いたいのに、会いたくない
何を言われるか分からない。どうしよう。由良さんなんて要らない、なんて言われてしまったら
そしたら私、どうすればいいんだろう
「さいき、くん」
『何ですか由良さん!』
ポツリと彼の名前を零すだけで、日常が視界に広がる。幻想だと分かっているけれど、目を閉じる
彼が笑う
たったそれだけのことに、幸せを感じた
「やだよ・・・・」
だから大事な物なんて作りたくなかったんだ。私にとっての弱味になって、重荷にもなる
同時に
相手に嫌われることへの恐怖が足枷になって。守れなかったらどうしようって。とても、怖いから
「さいきくん」
ねぇ、細木くん。大好きですよ
君が好きな本、ちゃんと読破しました。ドラマだって見たことないのに、頑張って見てみたり。君の好きなお菓子とか、一緒に食べる時間がとても好きです
初めは、確かに取引だった
寂しさに呑み込まれて、すぐに手に入る彼に手を出した。相手が絶対に呑み込む条件だとは思わなかったけれど、それでも手に入れようとした
『私と一緒に居て。離れないで』
『うん。いいですよ。由良さん、』
だけどあのとき、彼は